WordPress 5.8 で導入される Block Template について

2021年6月17日現在、この機能に関する詳細な説明はありません。

多分、Gutenberg の GitHub で Pull request か issue を探して経緯を追いかければ何のために作られ、なぜ WordPress 5.8 で導入されるのかを解明することができると思います。

しかし今のところ、公式なアナウンスは下記のページしか見つけられませんでした。

ここで紹介されている動画を見ると、ブロックエディタで投稿を編集中にテンプレートの編集ボタンを押すと、編集中とは異なるレイアウトやスタイルで表示されます。

多分、このテンプレートを適用していると、この投稿はこのように表示されます、という動画だと思います。

何のため?

これは WordPress が目指している FSE(Full Site Editing : サイト全体をブロックエディタで編集可能にすること) の一環です。

今はテーマのテンプレートに依存しているページレイアウトを、WordPress の ダッシュボードの中で作成・変更可能にしようとするものです。

ブロックテンプレートの現状(5.8-Beta 2)

ブロックテンプレートを名前を付けて作成し、先ほどの紹介ページにあったようにブロックテンプレートの編集画面を開いてみると、別にいきなり素晴らしいレイアウトので投稿が開くわけではなく、グレー背景の、ここからどうしたらいいのか直感的には分からない画面が開きます。

どうやったらきれいなレイアウトにできるのかはさっぱり分からないですが、ページとして表示する際と、ダッシュボードで表示する際に、何らかの方法でスタイルシートを適用する必要がありそうです。

しかし、テンプレートの編集画面にはそのようなエリアは無いので、おそらくテンプレートに準じて付与されるクラス名に対するスタイルシートを テーマの style.css か、カスタマイザーの追加 CSS に記述するのでしょう。

それらの CSS がこのテンプレート編集画面にも適用されるようにする必要があると思いますが。

画面の一番上のモザイク部分は、サイトタイトルとサイトディスクリプションです。
これらを編集することもできますし、なんならこれらのブロックを削除することもできます。
投稿のタイトルについても同様です。

テンプレートとして必要なブロックを追加することができますし、なんなら投稿内容を表示している箇所を削除することもできます。

そして全てを削除して表示された投稿が以下の画面です。

お気づきでしょうか。

ヘッダやフッタもありません。しかし、それは仕様であって不具合ではありません。
ブロックテンプレートが適用された投稿やページの表示には、テンプレートファイルが使われません。

それらは先ほどの紹介ページにあったように、ブロックとして提供されます。

  • Site Logo
  • Site Tagline
  • Site Title

など。

これから、メニューやウィジットなどもテンプレートに挿入できるようになるのではないでしょうか。

そしてどうするか

WordPress 5.8 の時点でブロックテンプレートを使ってページを作るメリットはほとんど無い気もしますが、「テンプレートファイルを追加したりせずにランディングページを固定ページとして追加したい」場合には使えるかもしれません。

しかし普通は FSE が使えるようになるまでは先ほど来の紹介ページにあるように、下記の記述で無効にしておかれてはどうでしょうか。

remove_theme_support( 'block-templates' );